- 2020年1月11日
「もの忘れ」と「認知症」の違い もしも認知症を疑ったら?
「最近、物忘れが多くて、、。もしかして認知症かしら?」
自分や家族で、もの忘れが増えてきたとき、認知症なのか不安になることありませんか?
単なる「もの忘れ」がひどくなってきただけなのか、認知症の初期症状なのか、って気になったこと一度はあると思います。
今回は、まず「もの忘れ」と「認知症」の違いをはっきり知ることがテーマです。
そのうえで、ご家族などで「認知症」を疑った場合、早めに受診して対応や対策を講じるヒントになれば幸いです。
「認知症」を説明してみましょう
認知症は、以前は「痴呆症」と呼ばれていました。
いわゆる「ボケ」のことです。
ボケてしまったことを認知症っていう、くらいのことはご存じだと思います。
認知症はボケのことだ、とおっしゃる方もいます。
それでは「物忘れ」と何が違うのでしょうか。
「認知症」とは
脳の器質的疾患によって進行性に障害され、認知機能の低下によって日常生活に支障をきたすこと。
ポイントは以下の2つです。
・進行性であること
・日常生活に支障をきたしていること
「もの忘れ」との違いは日常生活に支障があるか
物忘れと認知症の違いは「日常生活に支障があるか」です。
つまり、物忘れがあるけれども日常生活で問題がなければ大丈夫です。
他に、これならば大丈夫です(OKサイン)を以下に示します。
- いまの「時間」と「場所」が言える
- 物忘れに自覚がある (忘れたということを覚えている)
- うっかりが増えたことをわかっている
- 何を食べたかを思い出せないが、食べたことは覚えている
これらに当てはまるならば、それは単なる「もの忘れ」なのでOK(大丈夫)です。
反対に「日常生活に支障をきたす」とはどんな場合でしょうか。
- 食事したこと自体を忘れている
- 洗濯機の使い方を忘れてしまっている
- いつもの道で迷って帰れなくなる
- 約束の時間を覚えていない
- 季節に適した服装を選べない
などです。
これらが当てはまる場合は「認知症」の可能性があります。
「認知症」かな?と思ったら
簡単なテストをしてみましょう
ご家族や自分自身で、もしかしたら認知症かもしれないと思った場合はどうしたらいいでしょうか。
まず簡単なテストをしてみましょう。
このテストはすぐにできるので、認知症を疑ったらやってみてください。
①3つの関連のない単語を覚えてもらう
例 りんご、椅子、ハサミ
②時計の絵を書いてもらう
丸を書いて、1~12までの数字を書く
③11時10分を絵に描いてもらう
④3つの単語を思い出してもらう
①~④をやっていただき
・1つも単語が言えない
あるいは
・1~2つ単語は言えるが時計が書けない
場合は「認知症」の疑いがあります。
「認知症」を疑ったら
初期の認知症を診断するには、様々な検査を受けることをお勧めします。
なぜなら、認知症を疑った場合でも、病気によっては改善するものもあるからです。
認知症で一番多いのは「アルツハイマー型認知症」ですが、他にも認知症をきたす疾患はさまざまあります。
例えば、正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫、ビタミン欠乏症、うつ病、甲状腺機能低下症、薬剤性など
また突然の認知症の症状はせん妄でもみられます。
これらは、診断がつけば治る病気です。
つまり、治る認知症かもしれないため、初期で認知症を疑った場合は早めに受診し検査を受けることが重要なのです。
まとめ
もの忘れが多くなったとき、認知症ではないか?
と不安になることは誰でも経験します。
単なる「もの忘れ」と「認知症」の違いを知ることで自信をもって生活できます。
一方で、認知症が疑われた場合、一度医師に相談してみてください。
治せる認知症は早めの相談で調べることができます。
認知症と診断された場合でも、早めに知ることで対策や対応することができます。
ぜひ簡単なチェックリストとテストで「もの忘れ」か「認知症」かを調べてみてください。