- 2022年4月9日
帯状疱疹を予防する2種類のワクチン
帯状疱疹は、ありふれた疾患の一つです。
よく耳にする「帯状疱疹」。
帯状疱疹は皮膚の病気であると同時に「痛み」の病気でもあります。
「帯状疱疹はものすごく怖い病気」という方もいれば
「帯状疱疹にかかったことがあるけれど特に困らなかったよ」という方もいます。
この「痛み」がどれくらい残ったか?で人によって印象が変わる病気です。
実際には、帯状疱疹の治った後の痛みに長年悩まれている方が多くいらっしゃいます。
帯状疱疹にかからないために、重症化しないために接種するワクチンについてご紹介していきます。
令和の時代には、効果の高いワクチンがあります。
2種類のワクチンを学び、より多くの方に帯状疱疹ワクチンを接種するか考えるきっかけになれば幸いです。
帯状疱疹は「痛みが強く残ってしまう方」にとって大変つらい病気
~軽い症状から重い症状までさまざま~
一番やっかいなのは「治った後の痛み」
「帯状疱疹」は、皮膚にブツブツができる疾患です。
水疱と言って、皮膚にぽつぽつができて水や血性(赤)が混じったものが皮膚にみられます。
皮膚は顔、首、腕、胸、お腹、お尻、足、皮膚のどこにでも生じます。
皮膚科の病気のイメージが強い帯状疱疹ですが
実はもっともやっかいな症状は「帯状疱疹が終わった後の痛み」です。
痛みのイメージとしては火傷(やけど)の後のヒリヒリする感じ、が近いです。
やけどによるヒリヒリは、時間が経てば治ります。
ところが帯状疱疹では、時間が経っても痛みが残ることがあります。
自然に治ってしまう、「ああ、そういえば帯状疱疹やったな」レベルの軽症なものから
「何年経っても、ずっと痛みが残っている」レベルの重いものまで様々です。
ワクチンをおすすめするのは
「50歳以上でストレスが多い方」
「糖尿病など免疫が低下している状態の方」
「治った後の痛みで困りたくない方」
帯状疱疹は年齢が上がってくると「ありふれた疾患」になります。
高齢ほど帯状疱疹にかかりやすいです。
もちろん若い方でもかかることがあります。(強いストレスや過労時などに多いです。)
実際に「親戚の祖父母が帯状疱疹にかかったことがある」
「高齢の両親を介護していた時に見たことがある」など、身近な方の帯状疱疹のエピソードを耳にしたことがある方も多いと思います。
帯状疱疹のエピソードの続きでは「晩年は痛みで苦しんでいた」という方もいらっしゃいます。
痛みが強く出てしまった方が身近にいた場合には「怖い病気」として印象を持たれると思います。
帯状疱疹は痛みが強く残ってしまうなどの一部の方にとって大変つらい病気です。
帯状疱疹にかかりづらくする(予防する)、重症化させないために、帯状疱疹ワクチンがあります。
「帯状疱疹ワクチンって接種した方がいいの?」
というご質問をよくいただきます。
- 50歳以上でストレス、過労などがある方
- 糖尿病などの免疫力が低下している方
- 帯状疱疹が治った後の痛みで困りたくない方
という方には接種をオススメしています。
ざっくりと「高齢の方」「免疫力が低下」していると発症しやすいため、対象の方は接種しておくことをすすめています。
帯状疱疹ワクチンは2種類ある
・①新しいワクチン:効果も高く値段も高い
・②古典的なワクチン:効果も実績もある生ワクチン
「帯状疱疹ワクチンを接種しよう」と考えた方には2種類の選択肢があります。
自費のワクチンになるので医療機関によって価格は異なります。
(概要をご理解いただきたいため、正確な価格などは各医療機関にお問い合わせください。)
①効果も高いけれども値段も高いワクチンは「シングリックス®」といいます。
〇 10年以上効果が持続し、帯状疱疹の発症も重症化を予防する効果も高い。
✕ 副反応(発熱や痛みなど)が出やすい。
✕ 2回接種する必要がある。
✕ 値段が高い。(2回接種で合計4~5万円弱程度)
②効果は新しいワクチンに及ばないが実績がある「生ワクチン」
〇 古くからあり実績がある。
〇 接種は1回のみ。
〇 費用は比較的安価。(1万円程度)
✕ 効果は劣る。
✕ 生ワクチンを接種できない方もいる。(免疫不全の方など)
「高齢の両親に、帯状疱疹ワクチン接種を誕生日プレゼントで送った。」
という方もいらっしゃいました。
帯状疱疹は高齢になるほどかかりやすいため、とてもいいお話だなと思いエピソードを紹介させていただきました。
どちらにもメリット・デメリットがありますので、かかりつけ医とよく相談してみてください。
帯状疱疹についてもっと深く学びたい方は、、
身近な疾患を学ぼう「帯状疱疹」その①
身近な疾患を学ぼう「帯状疱疹」その②
も参考にしていただければ幸いです。