• 2021年5月22日
  • 2021年7月11日

メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンをわかりやすく解説してみました。

日本で現在使用されているファイザー社製ワクチンや、今後承認される予定のモデルナ社製ワクチンは「mRNAワクチン」です。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19感染症)のワクチン接種が本格的に始まりました。
医療従事者、高齢者、と接種が進んでいますが、まだまだ接種がこれからという方も多いと思います。
今回、日本で承認されている予定のワクチンは3種類あります。(2021年5月現在)
よく耳にする「mRNAワクチン」という言葉。
「メッセンジャーRNA」ってなんだろう?

自分の体内に入れるワクチン。
得体の知れないものを接種するのは怖いと思います。
今回のテーマは、「mRNAワクチン」がどんなものかを知るをテーマに
わかりやすく簡単に解説させていただきます。

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免疫はウイルスをやっつけるシステム
警察(免疫)が犯人(ウイルス)を退治するのに似ています。

そもそもワクチンってなんだろう?


ここからは、イメージしていただきやすいように、例え話を入れながらお伝えしていきます。

(*わかりやすく表現するので、厳密にはちょっと違うかもということも含みます。)

風邪をひいたり、インフルエンザに罹ったとき
外敵(風邪のウイルスや細菌)が体内に入ります。

ワーッと外敵が入ってくると、体内でこれをやっつける警察隊(免疫)が働きます。
悪い奴・犯人(細菌やウイルス)を警察がやっつけてくれるのです。

警察は犯人をやっつけてくれる。
そして犯人の顔を覚えておいてくれます。
悪い奴の顔を覚えておいてくれるので次に犯人が悪いことをすると警察がみつけやすいからです。

頭のいい人は考えました。

「犯人の顔を覚える警察を作ろう」
「警察に犯人の顔を覚えさせれば、早く退治できる」

犯人を少しだけ体の中に入れて、顔を覚える警察をあらかじめ作っておこうと考えました。

これがワクチンです。

ワクチンは犯人を少しだけ体の中に入れて警察に顔を覚えさせるのです。
すると、犯人(ウイルスなど)が体の中に入ってきたときに、すぐにやっつけることができます。


ワクチンは、犯人を少しだけ体の中に入れてあげることです。
すると警察(体の中の免疫)が犯人の顔を覚えられます。

水疱瘡(みずぼうそう、おたふくかぜ)に一度罹ったら
みずぼうそうウイルスの顔を警察が覚えています。

なので二回目に体の中に侵入してきても、すぐにやっつけてくれるので罹らないでいられるのです。


警察が犯人の顔を覚えていれば
すぐにやっつけてくれます。


ワクチンは体内に犯人を入れてあげることで
犯人の顔を覚えさせることができます。



ワクチンの種類 生ワクチン、不活化ワクチン、新しいワクチン


ここからはワクチンの種類のお話しです。

ワクチンは、犯人を少しだけ体の中に入れてあげて、警察(体の中の免疫)に犯人の顔を覚えさせます。

「犯人(ウイルス)を体の中に入れたら、病気にかかっちゃわないの?」

という疑問が浮かびます。

元気な犯人を少しだけ体の中に入れると、警察が負けてしまうこともあります。
これが「生ワクチン」です。
簡単に言うと、生きている犯人を体の中に入れる、というイメージです。


そう聞くと不安になってしまいそうですが
生ワクチンは現在でも麻疹(はしか)や水疱瘡(みずぼうそう)などで使われています。
もちろん安全に使用できるように悪さをしないように処理されていますのでご安心ください。


ならば
「犯人の顔だけ体の中に入れたらいいんじゃないの?」

ということで開発されたのが「不活化ワクチン」です。
犯人の顔だけ、いわば死体(ウイルスの断片)を体の中に入れたら安全だし警察に顔も覚えてもらえるしいいね。
ということで毎年接種する季節性インフルエンザワクチンに利用されています。
弱点は安全である分、効果が若干弱めであることです。
犯人の顔だけを入れるイメージなので、警察も覚えにくいようです。


mRNAワクチンは、「設計図」を入れるワクチン。
プラモデルののように
設計図をみて、体の中で犯人の顔を組み立てて犯人の顔を覚えさせます。
「設計図」入れる新しい方法のワクチンです。



いよいよ本題の「mRNAワクチン」についてです。

いままでのワクチンとすこしだけ系統が異なります。


一言でいいますと

「犯人の設計図を体の中に入れて、体の中で犯人の顔を作成して警察に覚えさせる」

というイメージです。

いままでの生ワクチン、不活化ワクチンというのは
「犯人(ウイルス)そのもの、あるいは犯人の顔のみ」を体の中に入れて、警察(免疫)に覚えさせていました。

mRNAワクチンとは、犯人ではなく、犯人の設計図を体の中に入れるのです。

「mRNA」というのは、犯人の設計図が載っている情報です。

これを体の中に入れます。
設計図をもとに、体の中で犯人を作りあげるのです。

犯人の顔を警察に顔を覚えさせることができます。

プラモデルを思い描いてください。
プラモデルには「設計図」があってそれを基に組み立てていきます。
その「設計図」に当たるものがmRNAです。
設計図を体の中に入れて、設計図を基に犯人の顔を組み立てます。
その犯人の顔を警察に覚えてもらうというのがmRNAワクチンです。


以下はファイザー社の資料からの引用です。

「mRNAワクチンでは、ウイルスのたんぱく質を作る基になる情報の一部を注射します。
人の体の中で、この情報を基に、ウイルスのたんぱく質の一部が作られ、それに対する抗体などができることで、ウイルスに対する免疫ができます。」


まとめ メッセンジャーRNAワクチン


犯人(ウイルス)が体の中で悪さをしないように警察(免疫)が働いてやっつけてくれます。
警察が犯人の顔を覚えていれば、次に悪いことをしようと侵入したときに、すぐにやっつけてくれます。

ワクチンは、犯人の顔を警察が覚えてもらえるようにしたものです。

方法はいくつかあって

・犯人そのものを(悪さしない状態にして)体の中に入れる方法の「生ワクチン」

・犯人の顔だけ(いわば死体)を体の中に入れる方法の「不活化ワクチン」

・犯人の設計図(mRNA)を体の中に入れる方法の「mRNAワクチン」


いずれの方法も警察(免疫)が犯人の顔を覚えてもらうことが目的です。

これによって、犯人が侵入してきたときにすぐに退治してくれるので病気にかからないようにするのです。

mRNAワクチンって聞くとなんだか難しい、、と思っていましたが
「なるほど、犯人の設計図を体の中に入れてあげて
設計図から犯人の顔を作成して、警察に覚えてもらう方法のワクチンなんだね」
ということです。

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