- 2020年11月8日
パーキンソン病患者さん 生活と暮らしのコツを考える②
生活をより良くするために、暮らしにヒントをお伝えする第2弾です。
パーキンソン病の方だけでなく高齢の方が暮らしやすくなる、取り入れるべき工夫も満載です。
ぜひ参考にしていただき、暮らしを豊かに安全に過ごしていただきたいです。
~ お薬の飲み方編 ~
患者さんの状態に合わせてかかりつけ医が薬を処方しています。
そのため、もっとも重要なことは決められたタイミングや量を守って内服することです。
もし効果が感じられなかったり、疑問に感じたことはかかりつけ医に遠慮なく相談することが大切です。
◎決められたタイミングや量を守って内服する。
飲み方は決して自己判断せず、かかりつけ医に相談しましょう。
◎お薬を飲んだら記録する。
カレンダーや日記に飲んだことを記録するといいです。
できたら、お薬を飲んでどのくらいが一番動きやすいか、どのくらい経つと動きが悪くなるかも記録していただくと、薬の調整もスムーズに行えます。
~ 生活環境編 ~
動きが鈍くなる、バランスを崩しやすくなる、便秘しやすい、などなど様々な症状がみられます。
生活や暮らしで改善したいことを伝えることも大切です。
そして生活に工夫を取り入れていきましょう。
◎生活の中でできること、できないことを医師に相談する。
気になる症状や日常生活で困っていることは記録しておくといいでしょう。
診察時に慌てなくて済みますし、的確に伝えることができます。
◎歯磨きは、電動ハブラシを使ってみる。
姿勢を安定するために、洗面台に椅子を置いて肘をつきながら磨くといいでしょう。
マウスウォッシュを使用するのも役立ちます。
◎生活の導線はなるべくまっすぐになるようにする。
家具などの配置は邪魔にならないように環境を整えることが大切です。
特に足元に物が多いと足が出づらい原因になりますし、転倒のリスクにもなります。
◎目印をつける
パーキンソン病の患者さんの場合、すくみ足といって、足が止まってしまうことがあります。
目印を付けておくと、足をその印につけて踏み出しやすくなります。
◎掃除用具は軽いものを使う。
バランスを崩してしまわないように掃除道具は小型がいいでしょう。
◎お風呂では、シャワーチェアを使う。
バランスを崩し転倒することを予防するために椅子は有効です。
できるだけ座って動作することが大切です。
また同時に手すりを取り付けましょう。
◎滑りやすいマット(敷物)やスリッパは取り除く。
もし使用するのであれば、滑りにくい素材のものを使用するようにしてください。
~ 体操編 ~
パーキンソン病の患者さんの場合、特に上半身がこわばりやすいです。
バランスを崩しやすいという特徴もあります。
そのため、ストレッチや姿勢を保つ運動が大切です。
そして、もっとも重要なのは継続することです。
◎上半身のストレッチを行う。
気づいたときにいつも行ってください。
首や肩がこわばりやすいため、習慣化して行うことが大切です。
◎体操教室に参加する。
無理のない範囲で、楽しめる範囲で。
身体を大きく動かすように意識して行うといいでしょう。
◎正しい姿勢を鏡でチェックする。
前かがみになりやすいので、鏡の前で正しい姿勢を保てているかをこまめにチェックすることも重要です。
◎とにかく継続する。
シンプルですが、もっとも難しいことかもしれません。
継続するためのコツは、強制的に行うような環境にしてしまうことです。
例えば、「毎週●曜日は体操教室の日」
「ご飯のあとはテレビの体操番組を見ながら体を動かす」
といった習慣化してしまうことです。
また、一人よりも周りの人と一緒に行うなど、楽しんで行うことも効果的です。
まとめ
パーキンソン病の患者さんの日常生活の工夫についてみてきました。
疾患特有のものもありますが、多くの高齢者の生活にも取り入れられる工夫も盛りだくさんです。
薬剤内服が重要なことは言うまでもないのですが、生活にちょっとした工夫をしてみてください。
暮らしが少しでも豊かになりましたら幸いです。