• 2019年10月13日

高齢者の「爪」の観察 ~正しい爪切りで「巻き爪」の予防を~ 

爪にはいろんな情報が詰まっている

高齢者の「爪」を観察するだけで様々な情報が得られます。
どれくらい入浴・ケアが行き届いているか、水虫(足白癬)の状態、栄養状態、など
どういう点に注目して観察していけばいいのでしょう。
今回は、爪の観察ポイントから正しい爪切りの方法、巻き爪のケアについてです。

爪の異常 問題になるものは

爪って人の顔と同じくらい、多様性があります。
爪が割れていたり、白っぽい、真ん中が凹んでいる、色が変色している、、
など挙げればきりがないです。

問題になる爪の異常として頻度として多いのは

  • 爪白癬(爪の水虫)
  • 細菌感染
  • 栄養状態の悪化
  • 巻き爪

このうち、爪白癬、細菌感染についてはそれぞれ内服薬(抗生物質など)で治療を行います。
爪白癬については完治までに半年などの時間がかかります。
感染については一部爪を抜去するなどケースによって対応が異なりますので、痛みや熱感を伴う場合は早めに皮膚科を受診してください。

爪がわれやすい・もろいは栄養不足・貧血のサイン?

爪も新しい爪が生えてきては古い部分を切りとるサイクルで生え変わります。
爪もたんぱく質が材料となっています。
もし爪がもろい場合はたんぱく質不足、鉄欠乏性貧血などが隠れているかもしれません。

巻き爪を起こす「深爪」

巻き爪は 日々の「つめきり」が原因で起こることが多いのです。
正しい爪の切り方ってご存知でしょうか?
爪の切り方を習う機会というのは、看護師さんや介護士さんなど、専門職の方ならあるかもしれませんが、家庭でも学校でも教わることはまずないかなと思います。

巻き爪を引き起こす要因としては下記が挙げられます。

  • 深爪
  • きつい靴(指先圧迫する靴)
  • 歩行量の減少

いずれも正しい知識を持っていれば予防ができます。

正しい爪の切り方は「スクエアカット」

日本皮膚科学会から引用

ポイントは深爪をしないこと

上の写真からわかるように爪の角は深く切らないことがポイントです。
意外と爪切りって教わらないのでついつい深爪しがちですよね。

深爪以外の原因としては
歩き方(踵中心の重心になっている)、歩数が少ない、靴が合っていない
などが考えられます。

「巻き爪」になってしまったら

巻き爪になってしまった場合は

  • ワイヤーやテープで矯正する

爪切りやガーゼをつめて応急処置はある程度可能ですが、根治治療には矯正しかありません
ただし、時間もかかりますし(数か月)ワイヤー治療は自費診療のことが多くお金もかかります。
ですので、巻き爪にならないように正しいつめきりを行うなどの予防が大切になります。

まとめ

いかがでしょうか。
爪については突き詰めて言ってしまえば、痛みもなくて現時点で困っていなければ問題ないです。
ただ、今回の記事をきっかけに一度じっくり見直してみるのもおもしろいと思います。
栄養不足や病気のサインが隠れていることもあります。
「爪」は奥が深いので、まだまだ勉強中の身ですが、顔と同じでひとそれぞれ多様性があるのもおもしろいです。
ぜひ多くの方の爪を観察してみてください。

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