• 2020年2月9日
  • 2020年2月10日

誤嚥性肺炎を知って対策しよう!

肺炎は日本の死因第三位を占めています。
高齢化がさらに進むと、肺炎のなかでも「誤嚥性肺炎」の割合が増えていきます。
誤嚥性肺炎は誤嚥(誤って食べ物が気道に入って起こる肺炎)が原因。
それだけ知っておけば十分なのでしょうか。
もっと誤嚥性肺炎について知識を深めることで有効な対策がとれます。
今回は誤嚥性肺炎の概念から予防までのお話です。

誤嚥性肺炎をきちんと理解する

誤嚥性肺炎は誤嚥によっておこる肺炎のことです。

多くの方が「食べ物を誤嚥して気道(肺)に入ってしまい肺炎になる」

と理解されていると思います。
私もそう理解していました。

「高齢になると食べ物をむせこみやすくなるから注意しましょう。」

と教わってきました。
この考え方は正しいですが不十分です。
むせこみやすいのはいくら注意しても防ぎきれないので、むせこまないように注意しようでは誤嚥性肺炎を十分に予防することはできません。

原因は、、なんと「虫歯菌」

誤嚥性肺炎を理解するうえで原因となる菌について知ることが重要です。

実は誤嚥性肺炎を引き起こす原因菌の最も多いのは

  • α連鎖球菌
  • γ連鎖球菌

と呼ばれる口腔内連鎖球菌です。

それはつまり「虫歯菌」のことです。

口のなかに常在する「ネバネバした白っぽいべたべたしたもの」
これが誤嚥性肺炎の原因となる細菌で最も多いのです。

誤嚥性肺炎は「内因性感染」

「風邪」や「インフルエンザ」のように外からウイルスや細菌を吸い込むもの

これを「外因性感染」といいます。
要するに外から身体の中にばい菌が侵入する感染症のことです。

一方で、身体の中に存在する細菌からの感染を「内因性感染」といいます。
例えば、胆嚢炎も身体の中に常在するばい菌が引き起こす感染なので内因性感染にあたります。

誤嚥性肺炎も口腔内に常在する常在菌が原因であることが多い
つまり「内因性感染」であると最近では考えられています。

「口腔内ケア」がもっとも重要である

これまでの話をまとめると

誤嚥性肺炎は、口腔内の常在菌である「虫歯菌」が原因である感染症のこと。

そのため対策でもっとも重要なのは、「虫歯菌を除去してあげること」
つまり「口腔ケア」がもっとも重要な対策になります。

なるほど口腔ケアが重要なのね、、
と言っても
歯ブラシすればいいのでしょうか。
どのようなケアが効果的なのでしょうか。
どれくらいの頻度で行えばいいのでしょうか。

口腔ケアで大切なことは「ネバネバを外にかきだすこと」

口腔ケアで一番やってはいけないことは
「歯ブラシでブラッシングするだけでゆすがないこと」です。

なぜなら歯磨きは、口腔内ばい菌を口のなかでばら撒くような行為だからです。

たしかに虫歯の予防には、歯ブラシで歯垢を取り除いたり、フロスで歯間を掃除することが重要です。
しかし、高齢者の口腔ケアでは、水でゆすぐという作業を省略してしまうことがみられます。
それこそ誤嚥させないために水を口に含ませないことです。

大切なことは、「ネバネバ(口腔内常在菌)を口の外に掻き出してあげること」

こうすることで誤嚥性肺炎の原因となる虫歯菌を取り除き、肺炎になるリスクを下げることができるのです。
イメージとしては洗面台の排水管の掃除の仕方と同じです。
排水管の掃除ではブラッシングした後に、汚れを外に掻き出しますよね。
こんなイメージで口腔ケアを行っていただけたらと思います。

口腔内も排水管と同様にすぐに汚れてしまうので、起床時、食事の後、就寝前に行うようすると効果的です。

正しい口腔ケアで肺炎を予防しよう

今回は誤嚥性肺炎では虫歯菌が原因で多いので、虫歯菌を取り除く口腔ケアが重要ですよ。

というお話をしました。
誤嚥性肺炎は高齢になるほどかかりやすくなります。
予防が重要なのは言うまでもありません。

まずはすぐにできることから始めていきましょう。
正しい口腔ケアは難しく考える必要はありません。
排水管の掃除のイメージで行っていただけたら、口腔ケアした方も、された方も気持ちいいケアになると思います。

   


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