• 2020年3月1日

「不眠症」しっかり眠りたい!

「先生、夜眠れなくて困っているんです」
このような不眠症に悩まれている方の相談をよく受けます。
不眠症については、まずは人それぞれに原因があります。
一概にこれをすれば大丈夫!といった一言で解決できない難しさがあります。
高齢者と若年者では「不眠症」に対する悩みも異なります。
まずは「不眠症」とはそもそもどんな状態を指すのか?
そして多くの不眠症に悩まれている方には原因があり、ひとつずつ原因を潰していくことが大切です。
ライフスタイル、生活習慣の改善がキーポイントとなります。

そもそも本当に「不眠症」ですか?

自分が不眠症だと考えている方たちには
「なかなか寝付きが悪いから不眠症だ」
「夜中に目が覚めてしまうので不眠症だ」
「昔はよく眠れたのに最近は5時間で目が覚めてしまう」など

ひとそれぞれに「不眠症」といった場合の意味合いが異なります。
不眠症とはそもそもどう定義されるのでしょうか。

昼間の眠気があること

不眠症の定義はさまざま提唱されています。
「 ●●時間しか眠れていないから不眠症」というものではありません。

ひとことで定義すれば

不眠症とは「睡眠に問題があって、昼間(日中)に眠気が出るもの」

反対に言えば日中に眠気がなくて日常生活に支障がなければ睡眠は足りているといえます。
極端な話、3時間しか眠れてなくても日中に集中して眠気で困らないのであれば不眠症とは言いません。

睡眠に悩む高齢者は「そもそも睡眠が足りている」場合も多い

よくあるのが高齢者からの相談で、若い頃よりも眠れない、7時間眠りたいが満足に眠れない
といった相談が多いです。
ひとそれぞれですが、だいたい若年の頃に比べて活動量の低下があるため
「そもそもそこまで睡眠時間が必要ない」ということが多いです。

「昔は7時間眠れていたが最近は5時間しか眠れません」

さきほどもお伝えしたように、●●時間しか眠れていないから不眠症といったことでありません。
多くは高齢者は、日中に眠気が出現するかが重要になります。
日中に眠気が出るかどうか尋ねますと、特段昼間には生活に支障がないことが多いです。
あるいは、昼寝をしてしまって夜が眠れないことがあります。
このようなケースでは不眠症には当てはまりません。

多くの高齢者は、若年者に比べて必要な睡眠時間が少なくても十分であることが多く、実は睡眠が足りている状態ということがあります。

反対に、日中に眠気が出て日常生活に支障をきたす場合は睡眠に問題がある可能性があります。
まずは生活環境を整えていきましょう。

不眠症に悩む若年者は「ライフスタイル」に問題があることが多い

若年者の場合は、複数の原因が絡み合っていることが多いです。
つまり、「日常生活の色々な要因が睡眠を妨げている」

次のようなことで思い当たる節はありますか?

  • 起床後すぐに日光を浴びていない
  • 日中に有酸素運動をしていない
  • 寝る前にアルコールを飲んでいる
  • 寝る前にパソコン、スマホを操作している
  • 夕方以降にカフェイン摂取をしている
  • ストレスが溜まっている
  • 30分以上の昼寝をしてしまっている
  • 寝る前にたくさんの水分をとってしまっている
  • 寝室の温度や湿度が適切でない
  • 夜更かしをしている

こういったライフスタイルが「不眠症」の基礎を作っていきます。
不眠症で悩んでいる方で、上に挙げたことが一つでも当てはまる場合は
まずは生活習慣を改善することが重要です。

もうひとつ

午後の眠気は、昼食の内容が原因ということがあります。
昼食に揚げ物や炭水化物(米、パン、パスタ、うどん、甘いもの)を食べた後は低血糖で眠くなることもあるので、不眠症とは分けて考えてください。

まとめ

まずは「不眠症」を知ることからはじまります。
・日中の眠気が出て日常生活に支障をきたしているか?

不眠症を疑った場合は

・昼食に揚げ物、炭水化物をたくさん食べていないか?

・ライフスタイルに睡眠を妨げるような生活習慣がないか?

まずはこれらの改善をしてみましょう。
むやみに睡眠薬に頼らず、まずはライフスタイルの改善を!
特にストレスは不眠の原因として強いので、自分なりのストレス解消法をもつことが重要です。

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