- 2020年4月5日
- 2020年4月7日
身近な疾患を学ぼう「帯状疱疹」その①
「帯状疱疹」について学ぶが今回のテーマです。
身近な疾患である「帯状疱疹」は高齢になるほどかかりやすくなります。
一方、30代、40代の若年者でもかかることがあります。
もし自分が帯状疱疹になってしまったときにどうすればいいのか。
予防法は?皮膚は治るの?痛みはいつまで続くの?
2回にシリーズを分けて解説していきます。

「帯状疱疹」は幼少期の「みずぼうそう」が原因
帯状疱疹は大人がかかる病気です。
帯状疱疹にかかってしまう原因は何でしょうか。
「水痘・帯状疱疹ウイルス」という幼少期に罹った水痘。
つまり「みずぼうそう」のウイルスが原因なのです。
幼少期に「みずぼうそう」にかかりましたか?
多くの方がみずぼうそう(水痘)に罹ったことがあります。
では、なぜ幼少期にかかった「みずぼうそう」で大人になってから帯状疱疹に罹ってしまうのでしょうか。
「みずぼうそうウイルス」が再活性することで帯状疱疹になってしまう
子供の頃にかかったみずぼうそう、、
実はとっくに治ったと思っていたみずぼうそうは、なんと「みずぼうそうウイルス」として神経に潜伏しているからです。
子供の頃の「みずぼうそう」は皮膚にブツブツができて治ります。
しかし、治ったと思っていても実は体の中の神経にウイルスが隠れ潜んでいるのです。
つまり、「みずぼうそうにかかったことがあるよ」という大人の神経にはみずぼうそうウイルスを持っているのです。
あなたの体の中にも奴ら(みずぼうそうウイルス)が潜んでいる

ということで、多くの大人は体の中に「みずぼうそうウイルス」を抱えていることになります。
「自分の体の中にウイルスがいるなんて怖い!」
そう感じられた方も多いと思います。
安心してください。ウイルスを抱えている状態であれば、無症状です。
ウイルスは攻撃力が弱いので、おとなしくしてくれています。
自分の体にウイルスがいるだけの状態では何も悪さはしないのです。
これは、自分の免疫がパトロールしていて見張ってくれているからです。
自分の免疫は警察官のようなもので、パトロールしてウイルスたちが悪さをしていないかを常に見張ってくれています。
安心して自分の免疫(警察官)にお任せしていれば、奴ら(ウイルス)は悪さしてきません。

自分の免疫がパトロールしてくれている

自分の免疫(警察官)が弱くなってしまうと
奴ら(ウイルス)が暴れだす!
これが帯状疱疹のはじまり
自分の免疫は警察官のようなもので、パトロールしてくれている間は安心して大丈夫です。
ところが、例えば警察官が弱くなってしまう、警察官の数が減ってしまった
そんなときにはパトロールが十分にできません。
そうすると奴ら(ウイルス)が暴れだしてしまうのです。
まず奴ら(みずぼうそうウイルス)は、目立つことが好きなので皮膚で暴れだします。
活動場所はもっぱら、「皮膚」「神経」なのです。
目立って暴れたい奴らなので、皮膚で暴れだします。
もともと子供のころに「みずぼうそう」で皮膚にブツブツを作って暴れた経験を活かして皮膚に水疱というブツブツを作って暴れだします。

奴らが暴れだす!
これが帯状疱疹のはじまりなのです。
ウイルスは「皮膚」と「神経」で暴れだす。
帯状疱疹の症状
奴ら(みずぼうそうウイルス)は厄介な性格です。
子供の頃に皮膚でブツブツを作ってさんざん暴れまわっておいて、退治したと思ったら神経に隠れ潜んでいるのです。
そして警察(自分の免疫)が弱ったときを見計らって、また暴れだすのです。
もともと目立ちたがり屋な性格であるため「皮膚」で暴れだすのです。
さらに自分の隠れ潜んでいたアジト、住み家である「神経」も暴れて破壊し出すのです。
神経で暴れると、とにかく痛いのです、、

帯状疱疹にかからないようにする
そのためにウイルスに負けない体をキープすること
帯状疱疹は、隠れ潜んでいたウイルスが暴れだすことで発症します。
そのため、警察官(自分の免疫)を弱らせないことが重要です。
「免疫を低下させないこと」が重要。
いつもブログでお話していることですが、きちんとした食事、睡眠、運動をすることです。
具体的には
・たんぱく質摂取(免疫の元となる栄養素です)
・よく眠ること、飲酒を控えるなど質の高い睡眠をとること
・1日30分程度の散歩をすること
をきちんと守って実行することが大切です。
外来で帯状疱疹に罹った若年者のお話を伺うと
「仕事が忙しくてストレスや疲れが溜まっていた」とおっしゃる方が多いです。
ストレスや過労が免疫を下げます。
過度なストレスや過労は禁物です。

まとめ
帯状疱疹は幼少期に罹った「みずぼうそう」のウイルスが原因でした。
実は神経に隠れ潜んでいるのです。
こいつらが暴れないようにすることが重要です。
パトロールしてくれる警察官(自分の免疫)を強く保つこと。
そのために食事、睡眠、運動、ストレスを溜めないことが重要です。
警察官をたくさん動員すればいいのでは?
と思われた方もいらっしゃると思います。
自分の免疫を強くするという予防法として「帯状疱疹の予防ワクチン」が有効です。
60才以上になると、どうしても警察官(自分の免疫)は弱くなってきてしまいます。
「帯状疱疹ワクチン」
ぜひおすすめしたいのですが、自費のため高額です。(約1万円程度)
詳しくはかかりつけのお医者さんに相談してみてください。
帯状疱疹の痛みで苦しみたくないという方には接種されることをお勧めします。
