- 2020年4月10日
身近な疾患を学ぼう「帯状疱疹」その②
帯状疱疹その①では、帯状疱疹の原因や予防法について詳しく学びました。
原因がわかると、予防法の理解も深まります。
なにより予防が重要ということを学びました。
それでは帯状疱疹になってしまった場合はどうしたらいいのか。
皮膚は治るの?痛みはいつまで続くの?
今回は帯状疱疹との付き合い方についてのお話です。
帯状疱疹は
ウイルスが「皮膚」と「神経」で悪さする病気
帯状疱疹その①の簡単な復習です。
帯状疱疹では、子供の頃に罹った水痘(みずぼうそうウイルス)が原因でした。
普段はパトロール(自分の免疫)してくれているので、神経でおとなしくしています。
しかしパトロール(自分の免疫)が低下したときにウイルスが暴れだす。
目立ちたがりなので「皮膚」で暴れてブツブツを作る。
ウイルスのアジトである「神経」で暴れて神経破壊して痛みを生じる。
これが帯状疱疹のはじまりでした。
症状の強さ(皮膚のブツブツ、痛みの強さ)は
人によってさまざま。個人差がある
帯状疱疹とひと言で言っても、症状の程度はさまざまなのです。
軽症では、帯状疱疹のブツブツもプチっと1個の水疱しかできないで終わる方もいます。
重症な場合は皮膚のブツブツが広がってジュクジュク膿を伴うこともあります。
痛みに関しても同様です。
軽症では、皮膚のブツブツが治った同時に痛みが消失し、まったく痛くなかったという方もいます。
反対に重症では、眠れないほど痛みが強い方もいます。
何か月経っても痛くて痛くて困っている、、という方もいらっしゃいます。
「帯状疱疹の痛みは、人によって弱い強いの程度がさまざま」
ということを知っておいてください。
帯状疱疹の「ブツブツ」は治るのか?
「痛み」は治るのか?
帯状疱疹は「皮膚」と「神経」で悪さする病気です。
皮膚症状、神経症状はそれぞれ「ブツブツ」と「痛み」として現れます。
皮膚症状の「ブツブツ」に関しては1~2週間で落ち着いてきます。
後遺症として「色素沈着」というやや黒ずんだ色調の皮膚になることがあります。
神経症状の「痛み」に関しては、人によって本当にさまざまです。
後遺症として数か月、数年経っても痛みが残ることがあります。
ポイントは「痛み」が残るかどうか
突き詰めて言ってしまえば、帯状疱疹は皮膚で困ることはめったにありません。
「痛み」が残るかどうか、これがポイントになります。
前述のようにまったく痛みで困ることがなかったという方もいますが
残念ながら一生涯痛みで苦しまれる方もいらっしゃいます。
「ペインクリニック科」という痛みの専門家にご相談いただくことを勧めます。
痛み止めの内服薬だけでなく神経ブロック治療などの治療選択肢があります。
重症化(痛みをひどくさせない)ことが重要!
帯状疱疹は痛みが残存しなければ困ることはありません。
この厄介な痛みを重症化させない(痛みをひどくさせない)ことがとても重要です。
有効な方法は
とにかく早く治療すること(病院受診すること)
です。
帯状疱疹は、ウイルスが目立ちたがり屋な性格のため、皮膚にブツブツを作るという症状が出ます。
皮膚にブツブツができた際にはウイルスが悪さを始めたことを意味します。
ここで放っておくと、ウイルスがどんどん増殖してしまいます。
ウイルスが増殖して破壊力を増すと痛みも重症化してしまいます。
治療は抗ウイルス薬です。
ウイルスの増殖を抑えてくれます。
そのため、なるべく早く治療を開始することでウイルスの増殖を最小限に抑えることが重要です。
帯状疱疹かな?と思ったらすぐに受診すること
帯状疱疹は「痛み」の治療がポイントになります。
痛みをなるべく軽くするためにできること
それは「少しでも早く治療(内服治療)を開始すること」です。
帯状疱疹は最初に「皮膚」にブツブツができます。(全例ではありません)
皮膚に異常が出るので、はじめに皮膚科に受診されることが圧倒的に多いです。
基本的には皮膚科受診を勧めますが、内科医や他科の医師でも診断して治療を開始できます。
とにかく早く病院受診して診察を受けて治療を開始してください。
帯状疱疹かなと思ったら下記をチェックしてみてください
- 皮膚の片側(右側だけ、左側だけ)にブツブツした水ぶくれができた
- ブツブツは全身どこにできてもおかしくありません
- 頻度として多いのは、顔面(おでこ、ほっぺ)、胸まわり(おっぱいの周り)、背中まわり、お尻から足にかけて
- 多くは痛みや違和感(ピリピリ)を伴います
ブツブツがみられた場合は早めに受診して相談することが大切です。
まとめ
帯状疱疹は「予防」が大切
さらに「重症化させないこと」が大切
・自分の免疫を低下させない生活を心がける
・食事(たんぱく質)、睡眠(禁酒)、運動(散歩する習慣)、ストレスや疲労を溜めない
・予防には「帯状疱疹ワクチン」もおすすめです。(特に60才を越えたら)
・もしブツブツができたら早めに受診する
・ブツブツや痛みの強さは人それぞれ
・痛みが強く残らないために、早めに治療を開始することが重要
・痛みが残存してしまった場合はペインクリニック科への受診を
帯状疱疹は、多くの方がかかりますが、人それぞれに症状の強さが違うという特徴があります。
正しく知って、もし帯状疱疹を疑ったときは早めに受診すること
そして自分の周りの方にも早めに受診するように促してください。