• 2020年6月29日

もし「転倒」してしまったら

転倒を予防することがとても大切です。
どんなに考えられる予防策を講じてもなお転倒してしまうことがあります。
転倒してしまったら、、
どんなことに注意したらいいのでしょうか?
どんな症状が出たら危険なサインなのか?
ポイントは「頭を打ったかどうか」です。
転倒してしまった際の、観察ポイントについて医学的な観点からまとめてみました。

転倒直後のポイントは「頭をうったかどうか」

転倒直後にみるべきポイント

転倒した際に、頭部を打撲したかどうかが重要になります。

もし頭部打撲など、頭部外傷がみられた場合は特に注意が必要です。
なぜなら頭部打撲では頭の中の出血で命に関わることがあるからです。

「転倒したとき頭をぶつけたか?」
これが1つ目のキーワードです。

頭部打撲した場合は、

・意識レベル(呼びかけに反応が悪い)
・手足が動かせない、しびれる

・吐いてしまう
・頭痛がだんだん強くなる

などのチェックします。
特に意識レベルのチェックが重要です。

「受け答えができるか?」これが意識レベル

頭部打撲後にみるべきは「意識レベル」

意識レベルというのは、「呼びかけた時の反応」です。
頭をぶつけた直後、ショックや転倒の出来事で精神的にパニックになることはよくあります。
そのため普段のような反応よりも精神的にパニックになりがちなのは知っておきましょう。
しかしパニックと異なり「意識レベル」の低下は危険なサインですので明確に覚えていてください。

ここでいう危険なサインとなる「意識レベル低下」とは

  • 呼びかけても反応しない
  • 起きていることができない
  • 頭がぼーっとしている
  • 目を覚まさない 眠り込んでしまう

以上のような症状が出た場合は、頭蓋内出血が起きているかもしれません。

すぐに救急要請が必要となります。

「いまは大丈夫、、」でも油断禁物
時間を追ってみていきましょう!

高齢者の場合は「talk&die」に注意

頭部打撲をしてしまった場合には、意識レベルの確認が重要だとわかりました。

頭部打撲では、受傷直後に意識レベルなどの異常がみられなくても
その後、急速に症状が悪化し死に至るケースがあります。(talk&die)

特に高齢者では脳の萎縮のせいで頭蓋内出血が起こっていても症状が出ないことがあります。

認知症や認知機能低下で自分の症状の訴えが難しくて適切に評価できないことも問題となります。

以上から、「特に高齢者では油断禁物」と知ることが重要です。

大切なのは今大丈夫でも
時間をおいて観察していくこと

特に高齢者では、頭部打撲直後は問題なかった
でも頭の中では出血していた
ということがあります。

また数か月してから出現する「慢性硬膜下血腫」というのもあります。

頭部打撲後、数か月してから出血が起こることがあります。

急激な血腫増大による頭蓋内圧亢進により、血圧上昇や徐脈がみられます。
意識レベルや麻痺、瞳孔所見などの神経学的所見とともにバイタルサインの経時的な観察も重要です。

大切なことは、危険なサインを見逃さないことはもちろん

「経時的にかつ頻回に意識レベルやバイタルサインを観察する」

経過をみていて意識レベルの低下を認めた場合は頭部CT検査をしましょう。

緊急時は救急搬送も躊躇してはいけません。

意識レベルの低下がみられるときは
救急要請も躊躇してはいけません

頭部打撲してもダメージを少なくするような対策を

ベッドから転倒による頭部外傷を予防するために

・衝撃吸収マット
・低床ベッド

などの活用を検討してみるのも有効です。

言うまでもなく、抗凝固薬(血液サラサラの薬)や睡眠薬(ふらふらで転倒リスク上げる)などの見直しも
かかりつけ医に相談してみるのも大切です。

ベッドを低床にするのも有効です。





  • すぐに眠り込んでしまう。体を揺すっても起きない。または起き続けることができない。
  • ③ けいれん(ひきつけ)を起こす。
  • ④ 手足に力が入らない。しびれている。
  • ⑤ 嘔吐が何回も続く、吐き気が止まらない。
  • ⑥ 頭痛がだんだん強くなる。激しい頭痛がする。
  • ⑦ 目が見えにくい。ものが二重三重に見える。焦点が定まらない。
  • ⑧ 耳や鼻から水が流れてきて止まらない。血液が混じっている。
  • ⑨ いつもと様子が違う。元気がなく、ぐったりとしている。

転倒のリスクファクターをおさらい

  • 身体的疾患(脳卒中後遺症、認知症、パーキンソン病など)
  • 精神的要因(不安神経症、うつ病など)
  • 薬剤(睡眠薬、抗精神病薬など)
  • 過去の転倒歴
  • 環境的要因(自宅での生活・福祉用具)

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