- 2020年8月21日
褥瘡・床ずれの対応を学ぼう①
「褥瘡」と書いて「じょくそう」と読みます。
床ずれのことを医学用語で褥瘡と呼びます。
高齢者では褥瘡は頻繁にみる皮膚のトラブルのひとつです。
褥瘡をみたときにどうやって対応すればいいのか?
褥瘡を良くしたい!と思ったとき、一番大切なことは除圧です。
どうして褥瘡ができてしまったのか。
褥瘡のケアはまずここからスタートです。
褥瘡をみる
その前に「なぜ褥瘡ができたのか?」を把握する
褥瘡の定義は
「身体に加わった外力は骨と皮膚表層の間の軟部組織の血流を低下、あるいは停止させる。この状況が一定時間持続されると組織は不可逆的な阻血性障害に陥り褥瘡となる。」
(日本褥瘡学会 2005年)
要するに「長時間圧迫されたことによって虚血して皮膚が損傷したもの」
といえます。
褥瘡を治したい!どうやって処置するか?と考える前に
「どうして褥瘡ができたか?」
これを考えることが一番重要です。
何を塗るか?
よりも重要なのは「除圧」
褥瘡ができてしまう原因は虚血、つまり血流障害です。
血流が障害されなければ褥瘡は作られません。
褥瘡の治療では
「虚血さえなければ自然に治癒する。反対に虚血状態であればいつまでも治癒しないこともある。」
このことを肝に銘じておく必要があります。
「除圧できるかどうか」が治療の大きなポイントになります!
「除圧」を阻害するものを取り除く
そのためには多職種でアイデアを出し合う!
褥瘡の治療では、除圧が大切なことはわかりました。
しかし、除圧することを阻害するものがあります。
例えば
・睡眠薬・抗精神病薬などのたくさんの飲み薬
・寝たきりで自分で寝返りがうてない
・痩せで骨が突出してしまっている
・関節が固まってしまっている(関節拘縮)
これらは除圧することを阻害してしまいます。
すぐに改善できるものから、時間をかけて取り除いていくものまで様々です。
多職種チームでアイデアを出し合い、どうしたら改善していけるかを話し合うことが重要です。
褥瘡の対応① まとめ
褥瘡をケアしていくときに一番重要なことは
どうして褥瘡ができてしまったのか?の原因を把握することです。
すべてはそこから始まります。
その上で、除圧をする!
皮膚にどんな軟膏を塗るか、よりも除圧の環境を整えることが重要です。
除圧の環境を整える、言うのは簡単ですがなかなか難しいです。
そんなときは、多職種が話し合いをしてアイデアを出し合っていきましょう。