• 2021年2月7日
  • 2021年7月11日

新型コロナワクチン 効果や副反応は?

「新型コロナウイルス感染症のワクチンの効果や副反応」が気になるところです。
日本での接種がいよいよ始まります。
先んじて接種されている米国などでの論文データが発表されてきています。
「副反応が心配、、」
「効果はあるの?」
「接種したほうがいいの?」

現時点でわかっていること、海外での文献をもとにまとめてみました。
日本ではファイザーワクチンが接種予定となっています。(2021年2月現在)
そのため今回はファイザーワクチンについてのお話に焦点を当てています。
*今後の新しい知見やエビデンスによって内容や推奨について変更する可能性があることをご了承ください。
https://kujira-zaitaku.clinic/

ファイザー社のワクチンは2回接種が必要。

コロナワクチンは2回接種が必要

ファイザーワクチンはmRNAワクチンです。
人の遺伝情報に変化を与えることはありません。
(前記事参照ください)

ファイザーワクチン接種方法としては

  • 接種可能年齢:16歳以上
  • 1回量:0.3ml
  • 接種回数:2回接種
  • 接種間隔:21日間隔
  • 三角筋に筋肉内注射

1回目と2回目の接種は同一のワクチンでの評価されています。
1回目と2回目で異なるワクチンを接種した場合の評価は不明であり、今後の研究報告に期待されています。
そのため、1回目と2回目は同一ワクチンを接種する必要があります。

ワクチンの効果と副反応について
現時点(2021年2月)でわかっているデータをまとめてみます。

コロナワクチンの効果は?

そもそもコロナワクチンに効果があるのか?
もっとも気になるところです。
現時点で判明しているデータをお示しします。
ここではデータ解釈が重要となります。
(有効率95%の意味を誤解して解釈する恐れがあります。)

参照 N Engl J Med.2020 Dec 31:383(27):2603-2615 

2回目接種の7日後以降で、約95%発症予防効果があったという結果があります。

「非接種群の発症率よりも接種群の発症率が95%少ない」
ということです。

根拠としては、接種群の発症率は0.04%
非接種群の発症率0.87%
以上から、95%有効ということです。

わかりにくいのですが、接種した人の95%の人は罹らないというものではありません。
(誤解する方が多いので要注意です。)

あくまで
・接種した方が1万人で発症者が4人でした。
・接種しなかった方が1万人で発症者が87人でした。
以上から有効率は95%でした。
というデータです。

よくある誤解として
→「接種した人の95%の人に有効で5%が効果がない」というわけではありません。
→「接種した人の95%が罹らない」ということでもありません。

副反応
・局所反応(接種部位の痛み)
・全身反応(発熱、倦怠感など)
・重篤な副反応(アナフィラキシーなど)

コロナワクチンの副反応は?


新型コロナワクチンの副反応については

  • 局所反応、つまり接種した部位(三角筋)の痛みが80-90%
  • 全身症状、つまり発熱や倦怠感(だるさ)が55-83%

と報告されています。

局所反応は、接種部位の痛みや発赤、腫脹のことです。
接種後2日ほどで自然に治ります。

◎全身反応は、発熱、倦怠感、頭痛、筋肉痛などです。
これらは、若年者や2回目の接種で多いことがわかっています。
同様に接種後2日ほどで軽快します。
解熱鎮痛剤などを対症療法で使用されます。

◎重篤な副反応は、アナフィラキシー(命に関わるようなアレルギー反応)
・100万接種で11.1例
・100万接種で5.0例
(いずれもファイザーワクチン)
の報告があります。(2021年2月現在)


アナフィラキシーは
アドレナリン投与が治療法として確立している

アナフィラキシー反応への対策は?

局所反応や全身反応は、上記の通り2日程度で自然に軽快することが報告されています。

アナフィラキシーは多くは接種後、15-30分以内に出現します。

そのため、少なくとも15分間の経過観察が必要です。
即時型アレルギーやアナフィラキシーの既往がある場合は30分の経過観察が推奨されています。


いずれにしても、万が一アナフィラキシーがみられたら
アドレナリン0.3ml筋注することが治療になります。
言い換えれば、アナフィラキシーは命にかかわる副反応ではありますが、治療法が確立されています。

大切なことは
わかっていることを正しく解釈すること
わかっていないことを明確にすること
噂レベルの情報に振り回されないこと

まとめ 効果や副反応について


時間の経過とともに、ワクチンについてのデータが判明してきました。
今後、日本でも接種開始された場合、日本人を対象としたデータが蓄積されてきます。

時間はかかりますが、今後のデータ蓄積が待たれます。

  • いつまで免疫が持続するのか
  • 接種後、長期間経過してからの副反応はどうなのか
  • 日本人での接種での効果や副反応はどうなのか

などなど、わかっていないことが多いのも事実です。

ワクチンについて(すべてに言えることですが)
・きちんとわかっていること(データ、データの根拠、出所)
・まだわかっていないこと
を明確にすることが大切です。
噂レベルの情報やフェイクニュースに惑わされないことが肝心です。
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